ミュージシャン奇妙礼太郎×「図案」

表現がどう生まれるかはわからない
ただ無性に、何かを描きたくなる瞬間がある

INTERVIEW
ミュージシャン 奇妙礼太郎

1976年、大阪生まれ。シンガー・ソングライター、バンドマン。これまでに、奇妙礼太郎トラベルスイング楽団、アニメーションズ、TENSAI BAND II(ex.天才バンド)のボーカルとしても活動。ソロではオリジナル楽曲に加え、レパートリー豊かなカバー曲を、切ない声と剥き出しのソウルで歌い上げる。2017年にメジャー初フル・アルバム『YOU ARE SEXY』をリリース。 http://kimyoreitaro.com/

♪描くの 描かないの

スケッチ チチチチチ

見せて 見せないの?

スケッチ チチチチチ


よく晴れた春の昼下がり、雑居ビルの屋上でスケッチブックの歌を奏でるのは、シンガーソングライターの奇妙礼太郎さん。今回、彼はマルマンからの「スケッチブックの歌をつくってほしい」という依頼を快諾し、ほぼ即興でその歌詞を図案スケッチブックに生み出し、カメラの前で出来たての曲を披露してくれました。

サム・クック、エラ・フィッツジェラルド、美空ひばり、THE BLUE HEARTS、長渕剛など、豊かなバックグランドから生み出されるジャンルレスな音楽性と、忌野清志郎さんを引き合いに出される唯一無二の歌声を持つ彼は、これまでにアニメーションズ、奇妙礼太郎トラベルスイング楽団、TENSAI BAND II(ex.天才バンド)などさまざまなバンドを渡り歩き、全国津々浦々のライブハウスでオーディエンスに名曲の数々を届けてきました。

さらに近年ではバンドやソロの作品として発表されるオリジナル曲ばかりでなく、「オー・シャンゼリゼ」「SWEET MEMORIES」「東京ブギウギ」といったカバーソングや、さまざまなCMソングでもそのエモーショナルな歌声を披露し、お茶の間の人々をも魅了しています。

そんな奇妙さんは、ライブやMV、そしてプライベートでも図案スケッチブックを愛用しています。いったい、稀代のアーティストは図案スケッチブックに何を書きつけているのでしょうか? ライブで聞かせる迫力ある歌声とはうって変わり、目の前の図案スケッチブックにイラストを描きながら、奇妙さんはもの静かにその思考の中身を語り始めます。

奇妙さんのライブでは、譜面立てに図案スケッチブックが置かれていることがありますよね。いったいそこには何が書かれているのでしょうか?

奇妙ライブの前に、忘れないように歌詞やコード進行を書き留めています。暗がりでもよく見えるように、マジックではっきりと文字を書くのにスケッチブックは最適なんです。

他にも、バンドのロゴやCDジャケットのイメージを描くときなんかにもスケッチブックを使っていますね。新しいアルバムをつくるにあたってビジュアルが必要になると、「こんなのはどうかな?」と、イメージを描いて伝えているんです。

では、そんな奇妙さんの目から見て、図案スケッチブックのいいところはどのような部分でしょうか?

奇妙そうですねえ、なんか気持ちいいところかなあ? まず描き心地がいいし、ノートに描くよりもうまく描けたような錯覚を得られるから気分がいい(笑)。たまに、無性に何かを描きたくなる瞬間があって、家にはスケッチブックを常備しているんです。

インタビューに答えていただきながら、奇妙さんの手は止まることなく目の前のスケッチブックにイラストを描き続けていますね(笑)。学生時代から、絵は得意だったのでしょうか?

奇妙いやあ、美術の成績もよくなかったし、教科書に落書きをしていた程度ですよ。クラスの絵がうまい人のことは羨ましく思っていましたね。そうそう、以前カメラマンの友達と家で飲んでいるときに、彼が僕のスケッチブックに絵を描いてくれたんです。

それは、ほとんど落書きのような、謎の迷路のようなものだったのですが、なんだか見ていると楽しい気持ちになってくるので、額装して部屋に飾っています。

さきほど、即興でスケッチブックの歌を書いていただきましたが。普段、歌詞を考える際にもスケッチブックを使うことはあるのでしょうか?

奇妙いつも歌詞を考えるときは、あまり紙に書くことはありません。まず曲をつくり、口ずさみながら歌詞を考えて録音をする。曲が完成してから、ようやくノートに歌詞を書き出しています。

歌詞を書くまでの奇妙さんの姿は、スケッチブックに落書きをしながらアイデアが浮かんでくるのを待っているような印象でした。いったい、どのようなイメージから、この歌詞が生み出されたのでしょうか?

奇妙うーん、そういうのってわからないんですよ……。

わからない?

奇妙ほかの曲も同様ですが、どのようにしてメロディや歌詞が生み出されるのか、自分でもちゃんとわかっておらず、説明をすることはできません。それに、歌詞の解釈はつくり手のものではなく、聞き手のものですよね。取材などで歌詞の意味を聞かれることもありますが、「これ」という形で、意味を説明するものではないと思っています。

では、奇妙さんが考える「いい歌詞」とはどのようなものでしょうか?

奇妙僕が好きな歌詞は、映像が浮かびやすく、すぐにイメージしやすいもの。たとえば自分がカメラを持って動いているように、映像がどんどん動いていく感じの曲は、聴いていても楽しくなりますね。まあ、つくるのは難しいんですけど(笑)。

現在も「アニメーションズ」「TENSAI BAND II(ex.天才バンド)」そしてソロ活動と、さまざまな形で作品を発表しています。奇妙さんのように、バンドを掛け持ちしながらも全てのバンドでフロントマンとして活躍する人はとても珍しいですよね。なぜ、このような活動のスタイルになっていったのでしょうか?

奇妙まあ、その時その時でやりたいと思ったほうに動いただけなんですけどねえ。その結果、気づいたらいろいろな形態の活動をするようになっていました。それは、2016年からはじめたソロ活動についても同様です。

「奇妙礼太郎トラベルスイング楽団」を解散した後、何をしようかと思ったときに、ソロという選択をしました。そこに大きな決意があったというわけではなく、何となく、今やってみようと思っただけなんです。だからまたバンドをやる、ということもあるかもしれません。

ソロの弾き語りライブでは、自分のつくった曲の他にも、松任谷由実、忌野清志郎、松田聖子といったミュージシャンの名曲を積極的にカバーされていますよね。なぜ、自分の曲ばかりでなく、名曲のカバーを行っているのでしょうか?

奇妙僕は、自分でつくった歌だけを歌いたいとは思っていなくて、『いい歌を歌いたい』と思う気持ちのほうが強い。いい作品をつくることも楽しいことですが、自分にとってはパフォーマンスをすることの方が魅力的なんです。

では、奇妙さんにとってライブの魅力とは?

奇妙ライブをしていると、ごく稀に、奇跡のような時間に出会うことがあります。ランナーズハイのように、その場所で演奏している人と見ている人とが「一つになった」と感じられる瞬間が味わえるんです。10年ほど前、大阪の梅田シャングリラというライブハウスに出演し、そのような状態をはじめて体験したときには「うわ、今の何やったんやろ!?」と心底驚きました。今でも忘れられない経験ですね。

そんな多幸感をもう少し具体的に言うと、どのような感覚なのでしょうか?

奇妙ええ、そうですね……んーと、そうですねえ(笑)。まあ、言葉でその感覚を説明することは難しいんですよね。強いて言うならば「宇宙と繋がった!」みたいな感じでしょうか(笑)。

ありがとうございました。インタビュー中、目の前に広げられた図案スケッチブックには、ロゴやイラストなど、たくさんの名画が生まれましたね(笑)。

奇妙スケッチブックを広げて、気の向くままに絵を描いているのはすごく楽しいですよね。楽しいと、なんか生まれる気がしますし。なんだか、絵を習ってみたくなってきました。







取材・文:萩原雄太
撮影:加藤 甫
編集:横田大(Camp)


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