文具王高畑正幸× 「図案」

文具の国の王様
まっすぐな眼差しで世界をのぞむ

INTERVIEW
文具王 高畑正幸

1974年香川県丸亀市生まれ、図画工作と理科が得意な小学生を30年続け、今に至る。テレビ東京の人気番組「TVチャンピオン」全国文房具通選手権に出場、1999年、2001年、2005年に行われた文房具通選手権に3連続で優勝し「文具王」の座につく。文具メーカーサンスター文具にて10年間の商品企画を経て、マーケティング部に所属。2012年にサンスター文具を退社後、同社とプロ契約を結ぶ。きだてたく、他故壁氏と共に、文房具のトークユニット「ブング・ジャム」を結成。各種文具イベントを行う。

真っ赤な王冠を被って取材の席についたのは、「文具王」の異名を持つ高畑正幸さん。かつて、その道のマニアが日本一をかけて戦うテレビ番組『TVチャンピオン』(テレビ東京系)の「全国文房具通選手権」で3回にわたって優勝を飾った彼は、まさに文具王の名を冠するにふさわしい人物。

日本でもトップの文具マニアとして、文房具を紹介する記事の執筆や、トークショーへの出演、文房具の実演販売、そして、文房具マンガ『文具を買うなら異世界で!』(KADOKAWA)の監修まで、さまざまな側面から文房具の魅力を伝えています。

日本で発売されている文房具のほぼ全てを網羅し、部屋中がさまざまな文房具で埋め尽くされている文具王も、マルマンの「図案スケッチブック」を愛用するひとり。あらゆるノートやスケッチブックの中から、なぜ文具王は図案を選び取っているのでしょうか? まずは、文具王が文房具の魅力に目覚めたきっかけからうかがっていきましょう。

高畑さんが、文房具の魅力に目覚めたのはいつごろでしょうか?

文具王小学校のころからですね。だいたい小学生のころって文房具は自分で選ぶいちばん身近な道具だから、好きな子は多いですよね。僕もちょうどその時期に文房具のおもしろさに目覚めました。けれども大抵の人は、そこからスポーツや音楽など、いろんなところに興味が移っていきます。それなのに僕はそこから足を洗えずに、30年以上も文房具にハマり続けてしまっているんです(笑)。

小学校からの趣味を極めた結果、文具王になってしまったんですね(笑)。

文具王当時は学校で何か困りごとがあったときに、便利な文房具をさっと取り出して問題を解決できればカッコイイんじゃないかと思っていました。今から振り返ると、モテの方向性を完全に間違えていた(苦笑)。中学生のときには、友達と同人誌をつくっていて、そこにイラスト入りの文房具のコラムも執筆していました。今やっていることとほとんど変わりがありませんね。

コラムにはどんなことを書いていたのでしょうか?

文具王小学生〜中学生だった80年代の後半は、まだノートPCもケータイもなく、文房具が全盛の時代でした。ラベルプリンターの「テプラ」、ルーズリーフの30穴を手軽に開けられる「ゲージパンチ」、穴を開けずに書類を閉じるクリップ文房具「ガチャック」など革新的な文房具がいっぱいデビューしていたんです。今でいうアプリのように、ガジェットのような文房具の数々がお店に並んでいたので、次々と購入しては、あれこれ試して使っていました。

当時発売された文房具の中でも、印象に残っているものはありますか?

文具王ひとつを選ぶのは難しいのですが……プラスさんで発売していた文房具セット「チームデミ」はとても魅力的な文房具でしたね。ひとつのパッケージの中に、ハサミ、ホチキス、定規など、いくつもの小さな文房具が詰め込まれており、マニアの心をくすぐってくれました。

ところで、文具王の心を30年にわたって捉えて離さない文房具の魅力はどこにあるのでしょうか?

文具王人がいろいろなことを考えたり、つくり出していく時に、いちばん身近にあるのものですよね。それは、言わば自分の手の延長となるような存在。文房具を上手に使うと考えがまとまったり、文房具を変えるだけで、今までできなかった表現ができるようになることもあるんです。それがとても魅力的ですね。

確かに、描き慣れた文房具で描くときと、新たな文房具で描くときの感覚は少し異なりますね。無意識のうちに、アウトプットにも影響を与えてくれます。

文具王使い比べてみるとよくわかるのですが、文房具によって、使い心地はまったく異なるんです。お店に行けば、何百種類というボールペンが販売されているし、紙質の違いだけでノートも何十種類も揃っています。その中で「こっちの方がフィットする」と感じられる文房具が必ずあるんです。

文具によって使い心地はまったく異なり、書くものと書かれるものの相性とか、それに合わせて文字の大きさや形も変わってしまうんです。図案で言えば、僕は図案には平芯の太マーカーのカドを立てて2cm角ぐらいのゴシック体みたいな文字を書くのが好き。

もちろん何でどう書こうと構わないんですけど、自分が考えやすい道具の組み合わせとか書き方みたいなのが思考を気持ちよくまとめていくにはわりと大事な気がします。

文具王が愛用している図案スケッチブックを見ると、角ばった特徴的な文字が几帳面に並んでいますね。

文具王僕の図案スケッチブックの使い方は「持ち運びのできるホワイトボード」という感覚です。打ち合わせの時や、何かを考える時、話す内容を組み立てる時にはホワイトボード代わりに図案を使っています。表紙が厚く自立するので、描いたものを写真で撮影し、誰かと共有するのも簡単なんです。

また、図案の特筆すべきいいところは、絶対になくさないこと。派手な表紙はどこに置いてあっても目立つので「どこに置いたっけ!?」ということがありません。

特徴的な表紙が思わぬところで役に立っているんですね(笑)。描き心地や表紙以外に、図案のいいところはありますか?

文具王いつ、どこに行ってもだいたい売っていることでしょう。定番なので、また同じものを買い求めるのがとても簡単なんです。描き慣れたものを使いたいという人にとって、これはとても大事なこと。また、値段もそんなに高いものではなく、いつでもどこでも安価で手に入るという安心感は、図案スケッチブックならではでしょうね。

近年、消せるボールペンが一般的になるなど、文房具は毎年さまざまな進化を遂げています。図案スケッチブックにも進化は感じられますか?

文具王僕の場合、おそらく幼稚園の頃から使っていたほど身近な存在だったのですが、図案スケッチブックには「変化しないよさ」があると思います。変わらないでいてくれるから、いつでも安心してその上で思考をすることができる。きっと60年前からモノとして完成していたからこそ、変わらなくて大丈夫なんでしょうね。

ただ、最近「画用紙リーフ」という、ルーズリーフタイプの画用紙が発売されましたよね。このような進化はとても良いと思います。社会人になってから、スケッチブックに接する機会が少なくなってしまった人も、ルーズリーフタイプなら他のノートなどと組み合わせていっしょに使えますし、カバンに入れて使いやすい。図案をベースとしながらも、いろいろな用途に合わせて使えるように工夫してくれるのは、ユーザーとしてとても嬉しいですね。スケッチブックには「絵を描くもの」という先入観がありますが、僕のようにホワイトボード代わりに使ったり、その用途は人によってさまざまで良いと思います。

最後に、文具王としての今後の目標を教えてください。

文具王僕の目標はいろいろな人に文房具のよさに気づいてもらうこと。特に日本の文房具の平均的なクオリティは、バリエーションの多さ、細かな工夫など海外のものとは比較にならないくらい高く、世界でも類を見ない特殊な進化を遂げています。

文房具というジャンル自体、クールジャパンと言ってもいいほどです。これまでは、日本国内に向けて文具の魅力を伝えてきましたが、アニメや漫画に並ぶ「クールジャパン」としての魅力ある文房具を、海外にも発信していければと思います。

取材・文:萩原雄太
撮影:加藤 甫
編集:横田大(Camp)

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