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イラストを描くならスケッチブックを使ってみよう!種類や特長、選び方も紹介
画用紙は色鉛筆や絵具、クレヨンなど幅広い画材との相性がよいため、学校や仕事などさまざまなシーンで活用されています。ノート用紙などと比べると厚みがあり、消しゴムで消しても毛羽立ちにくいのが特徴です。
表面には凹凸(シボ)があってザラっとした質感がありますが、この凹凸があることでイラストに立体感や風合いが生まれます。比較的購入しやすい価格のものが多いので、イラストを描き始めたばかりで練習用の用紙を探している人にもおすすめです。
水彩紙は水性の絵具に適した用紙で、厚みがあるため水を含んでもよれにくいです。また、サイジングと呼ばれるにじみ止めの加工がされており、絵具(水)がすぐにしみ込まない、という特長もあります。
紙の表面に絵具(水)がとどまるため、ぼかしやグラデーションなどもきれいに表現できます。
ケント紙は、マンガの原稿用紙にも使われている用紙です。
紙質は硬く、表面はツルツルしているのでペンの滑りがいいという特徴があります。強度が高いため、消しゴムなどの擦れにも強く、立体の製図にも便利な用紙です。
画用紙と比べて紙が薄いクロッキー用紙は、表面がザラザラとしていて鉛筆や木炭との相性がよく、ドローイング(線画)に適しています。
用紙の厚さは種類によって異なり、厚くなるほど描き心地がやわらかくなります。
ここでご紹介したほかにも、木炭でデッサンをするときに使う木炭紙や、水墨画に用いられる画仙紙など、種類が豊富なスケッチブック。描きたいイラストや使いたい画材に合わせて用紙を選んでみましょう。幅広い用紙のバリエーションがあるスケッチブックは、初心者からプロまでイラストを描く人たちの心強い味方です。
絵の練習用に用紙を探している人は、ぜひスケッチブックを試してみてください。
反対に、屋内で時間をかけてじっくり描くことが目的なら、大きめのサイズを選んでみてもいいでしょう。
大きめのサイズであれば細かいディティールまで描き込めるので、絵の上達にもつながります。
● スケッチブックのサイズ
用紙のサイズは、A4やB5といった「A規格」「B規格」が日本では一般的ですが、スケッチブックはA規格・B規格以外に「F規格」の製品もあります。F規格はキャンバスや額縁などに用いられる規格で、具体的な大きさとしては次の表のようになります。号数 | サイズ(mm) |
---|---|
F0 | 180×140 |
F1 | 220×160 |
SM | 227×158 |
F2 | 250×190 |
F3 | 273×220 |
F4 | 333×242 |
F5 | 350×270 |
F6 | 410×318 |
F8 | 455×380 |
F10 | 530×455 |
A規格とB規格は数字が大きくなるほど紙のサイズは小さくなりますが、F規格は数字が大きくなるほど紙のサイズも大きくなるので注意が必要です。
なかにはイラストを贈り物としてわたせるハガキサイズの小さなものもあります。
用紙の綴じ方によって使い方にも違いが出てくるので、用途に合ったほうを選びましょう。
● リング製本
リング製本では、リングやスパイラル(螺旋)状になった針金を使って製本されています。リング製本のスケッチブックは、ページをめくるときにしっかりと裏側まで回すことができるため、場所をとらずにイラストを描くことができます。
● パッド製本
パッド製本では、付箋のように紙の1辺が糊などで綴じられています。1枚1枚をきれいにはがすことができ、リング製本のスケッチブックのように用紙に穴が開いていません。描いた絵を額縁に飾ったり、誰かにプレゼントしたりするときにも便利です。
● ブロック製本
ブロック製本では、ロウや糊を四方に塗った紙が複数枚重ねられ、綴じられています。用紙の四方が固定されるため、「水張り」をしなくても紙がよれにくいのがメリット。固定された紙は、糊付けされていない部分にペーパーナイフを差し込み、横にスライドさせながら切り取るようにはがします。
● 画用紙
鉛筆で描く場合、その目の粗さによってラフなタッチで描くことができるだけでなく、奥行きのあるイラストを描くのにも効果的です。鉛筆の黒鉛は凸部分にのりますが、凹部分の白地は残ったままになり、そのコントラストが鮮やかな印象になります。ティッシュでこすると凹部分にも黒鉛が広がりますが、そうすると今度はぼやけた印象に。これらを使い分けることで、イラストに奥行きができます。
● 水彩紙
水彩紙の凹凸には細目・中目・荒目と種類があり、粗いものほど凹凸が大きくなります。凹凸の大きい荒目であれば凸凹のくぼみも大きいため、そこに絵具が多くたまることで色に深みが出ます。細目は凹凸が小さい分凸部分に引っかからず滑らかに描くことができ、細かい描写がしやすいなど、それぞれに特長があります。
鉛筆には、「B」「H」「F」など芯の硬さや濃さの違う種類がたくさんあります。
鉛筆だけでも線の太さや濃さを自由に調整できるなど、幅広い表現が可能。比較的安価で手に入れられるのもうれしいポイントです。
筆記で使う消しゴムは一般的にプラスチックのものが使われていますが、デッサンをするときは練り消しゴムを使います。
力いっぱい消しゴムを使ってしまうと、紙が毛羽立ってしまったり、紙の表面が削れてしまったりするので、力加減には注意が必要です。
色鉛筆は、イラストの初心者でも扱いやすい画材のひとつ。
使い方次第で塗り絵風のイラストも、写真のように精密なイラストも描くことができます。凹凸のある画用紙に色鉛筆を使えば紙の目を活かした風合いのあるタッチで描けます。
また、凹凸が小さければ表面が滑らかになるぶん細かな描写がしやすくなるなど、どんなイラストを描きたいかによって用紙を選ぶといいでしょう。
水彩色鉛筆は、水に溶ける色鉛筆です。見た目は普通の色鉛筆と同じですが、紙に描いた後に水を含ませた筆でなぞると水彩画のような表現ができます。
色鉛筆のように扱いやすいのに、水彩画の仕上がりにできるのが特長です。
●透明水彩絵具
透明水彩絵具の場合、2つの色を重ねたときに下の色が透けて上の色と重なり混色します。淡く透明感のある雰囲気を出すときに便利な絵具といえるでしょう。
●不透明水彩絵具(ガッシュ)
不透明水彩絵具は小学校の図工の授業でも使われる機会が多い絵具です。不透明水彩絵具で2つの色を重ねると下の色が隠れてしまう(不透明)なのが透明水彩絵具との大きな違いで、重厚感のある絵を描くときにも適しています。
●透明アクリル絵具
透明アクリル絵具は水彩絵具のように透明性がある絵具です。光沢感があり、いくつも色を重ねても下に塗った色を活かすことができます。
●不透明アクリル絵具(アクリルガッシュ)
水彩絵具と同じように水で絵具を溶いて使いますが、塗り終わったあとで乾くと耐水性になるという特長を持っています。油絵のように色を重ねることができ、画用紙のほかにも木や金属にも使えます。
アルコールマーカーのインクは、染料をアルコールで溶かしたものでできています。
アルコールなので乾くのが早く、重ね塗りや混色をしても紙を傷つけずに仕上げることが可能で、淡く鮮やかな雰囲気を出しやすいです。